人間ってすごい。(いきなり)
人間がここまで分布を広げて繁栄したのは二足歩行を獲得したからとも言われてます。
なぜか
二足歩行って本当によくできてるんです。
きちんと歩くことは「究極の省エネ」になる。
アリゾナ大学の研究で、人間が2足歩行の時に必要とするエネルギーは、チンパンジーが4足歩行の時に必要とするエネルギーの4分の1だったことが分かったみたいです。
チンパンジーの4分の1のカロリーで歩けますし、健常な歩行ができていたら、MAX疲れている時から比べて38%くらいのエネルギーしか使わないので疲れるはずがないのです。(Vo2MAXで見たとき)
え?歩くと疲れる?前モモが張る?ふくらはぎパンパン?もしかして・・・あなたチンパンジーですか?
- 「正しい歩き方」を指示する事
- 何でカカトから着くのが正解なの?
- 僕は「カカトから歩かせる」ように頑張っているのに
1.「正しい歩き方」を指示すること
人間が機能的に、なるべくエネルギーを減らさないように歩くための仕組みが大きく分けて6つくらいあります。
本来、歩き方に対して「背筋を伸ばして顎を引いて歩いて」みたいに指示を出したところで、あまり意味はありません。(気をぬくとすぐ戻るし、根本解決にならない)
でも、この前、本屋で美脚本をザーッと立ち読みしてたら、
「歩くときはつま先から!」
って書いてる本があって。
コレは発信する価値があると。だって明らかに間違った情報だから。
まあ、実際やると分かるんですけど歩くときは「カカトから付く」のが正解です。もしかしたらチンパンジー向けの美脚本だったのかな?
2.何でカカトから付くのが正解なの?
人間のカカトってよーーーーく出来てるんです。
まず、カカトっていうのは踵骨っていう骨に脂肪組織が被さって出来ています。

(黄色の部分が脂肪層)
まあ、こんなに頑丈な骨が脂肪層で分厚く覆われてる時点で神様は「カカトから歩く」ようにデザインしたように思えますけどね。
で、このカカトの骨(踵骨)の形。丸いんです。

この丸みが超重要なんです。
この丸みがある事によって人間は超ラクに歩く事ができます。
カカトから接地して歩く事によって、その丸みによって前にころっと転がるんですね。ちょっと難しく言うと、足を振り上げて発生した位置エネルギーを、カカトから接地して転がす事で前への運動エネルギーに変えます。
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(観察による歩行分析 より)
分かりやすく動画で。

(カカトから着いて前に転がる図)
他にもこの転がり運動を担う部分が足に2箇所(計3箇所)ほどあって、人間の歩行は極力ラクにできるようにデザインされてるんです。(コレを最大限に活かす事が美脚にはめちゃ大事)
3.僕は「カカトから歩かせる」ように頑張っているのに
僕は脚を細くしたい人はもちろん、基本的に全てのクライアントさんにまず第一歩目として「きちんと歩ける」ためのご指導をさせて頂いています。(それが身体のラインを変える土台になる)
「きちんと歩ける」ことの第一歩は「カカトから接地する」ことです。
コレが破綻していると「きちんと歩く」ことは無理です。
なのに!なのにーーー!!!!この本は!!日本人の歩行システムを崩壊させようとしていました。
そもそもカカトから接地できない方は、僕含め専門家がその原因を探りながら改善していきますが、そもそも「つま先から歩け!」っていう情報を鵜呑みにしてしまってわざわざ「つま先から歩こう」としている人を助けたかったので(笑)シェアしました。
ほんまにもー。って感じです。
グレーな情報には目をつぶりますが、明らかに人を不幸にする情報はNGですね。
書いてる人が綺麗やったらそら信じますわな。
情報が氾濫している昨今、みなさんくれぐれも情報の取捨選択には気をつけて。
